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ハンター志望必見!狩猟免許の内容と取得方法を徹底解説

この記事の所要時間:8分

狩猟をするためには、国家資格である狩猟免許を取得する必要があります。狩猟免許を「どうやって取ればいいのかわからない」「どんな試験があるのか」など、なにがなんだかわからないと思う方も多いはずです。

実は、狩猟免許を取得するのはとても簡単で、その合格率は80%と言われているほどです。しかし、80%といえども全く勉強をせずに合格することはかなり難しいです。

今回は、狩猟免許の取り方から取得に至るまでの費用など、狩猟免許について幅広く解説します。

狩猟免許とは

狩猟免許とは、【鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣法)】に基づいて、住所地の都道府県知事が狩猟を認可した資格のことを指します。

狩猟免許は、使用する狩猟の道具に応じて、「網猟免許」「わな猟免許」「第一種銃猟免許」「第二種銃猟免許」の4種類に分けられています。

狩猟免許の種類と使用できる狩猟道具

免許の種類 使用できる狩猟道具
網猟免許 むそう網、はり網、つき網、なげ網
わな猟免許 くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな
第一種銃猟免許 装薬銃(ライフル銃・散弾銃)、空気銃
第二種銃猟免許 空気銃

第一種猟銃免許、第二種銃猟免許については、実際に銃砲を手にする場合、お住まいの都道府県公安委員会が発行する銃砲の所持許可が必要です。

所持許可証の取得についてはこちらの記事をご覧ください。

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狩猟免許の受験資格

狩猟免許試験を受験するためには次の項目を満たしている必要があります。

  • 網猟免許・わな猟免許は狩猟免許試験の日に18歳以上であること
  • 第一種銃猟免許・第二種銃猟免許は狩猟免許試験の日に20歳以上であること
  • 精神障害、統合失調症、そううつ病、てんかんなどにかかっていないこと
  • 大麻や覚醒剤などの麻薬の中毒になっていないこと
  • 鳥獣法などに違反し、罰金以上の刑に処された場合、3年間の欠格期間が過ぎていること
  • 狩猟免許を取り消された場合、3年間の欠格期間が過ぎていること
  • 狩猟を始めるために必要な道具と費用

狩猟免許取得費用

狩猟をするためには、免許費用や狩猟で使用する道具の購入費用が必ずかかります。項目ごとにどのくらい費用がかかるのかを見てみましょう。

狩猟免許を取得する際にかかる費用は約6,000円〜約15,000円ほどです。狩猟免許の受験費用は5,200円で、試験受講者向けに都道府県ごとに行われる講習会の受講料が約10,000円ほどです。

講習会は都道府県によって受講料が異なるので、各地域のホームページなどで確認してください。

道具の種類と費用

狩猟に必要な装備(猟具以外)にかかる費用は数万円です。ピンキリになるので、安く済ませようと思えば3万円程度で揃うと思います。高いもので一式揃えるとなると数十万円は覚悟しておかなければなりません。

網猟、わな猟を行う場合に使用する道具は数千円〜数万円です。自作すれば少しですがコストを削減できます。

銃猟をする場合は、銃本体の他にガンロッカーや装弾ロッカー、銃の掃除道具などが必要になり、合計で数十万円かかります。

コストを抑えたい場合は中古の銃、ロッカー類を購入すると大幅に金額を下げることができます。

実猟に必要な費用

実際に狩猟を行う場合は、弾などの消耗品に加え、ハンター保険、狩猟税や狩猟者登録などの費用が必要です。

狩猟税は1番高額な第一種銃猟の場合で1都道府県あたり16,500円が必要です。狩猟者登録費用は一般的に1,800円ですが、都道府県によって決められるので各地域のホームページなどで確認してください。

ハンター保険は数千円で加入できますが、猟友会に所属することで保険の加入が行われるので、猟友会に所属しようと思っている方は必要ありません。しかし、猟友会は年会費制なので、年間約1万円ほど必要になります。

狩猟をするまでの費用はこちらで詳しく説明していますので、合わせて参考にしてください。

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狩猟免許試験の取得方法

狩猟免許を取得するためには試験に合格する必要があります。狩猟免許試験は都道府県ごとに行われていて、開催時期もばらばらだったりします。

一般的に夏から秋に行われることが多く、開催回数も多くありません。気になる方はお住まいの地域のホームページを確認してください。

狩猟免許試験の取得までの流れは以下の通りです。

①狩猟免許試験の受験申請

②狩猟免許試験の受験

③狩猟免状の交付

①狩猟免許試験の受験申請

都道府県のホームページなどで試験の日程が掲載されるので、日程を確認して申請を行いましょう。申請方法は直接窓口で行うのが一般的ですが、地域によっては郵送やインターネットでの申し込みが可能です。

事前確認を行わないと申し込みを受け付けてくれない地域もあったりするので、申請を行う前に事前に確認しておくとスムーズに申し込みできるでしょう。

申請に必要なものは以下の通りです。

  • 狩猟免許申請書
  • 受験手数料(5,200円)
  • 証明写真
  • 精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書

※銃砲所持許可をすでに受けている場合は、所持許可証の写しが診断書の代わりとできる
※診断書は、申請書提出日より起算して6ヶ月以内のものであること

②狩猟免許試験の受験

申請した日時と会場で免許試験の受験をします。平日、休日の設定がされているので都合が良い日時の試験を申請しておきましょう。

当日は受験票が必要になりますので、忘れずに持参しましょう。

試験は午前9時頃から午後17時頃までです。試験が終わり次第すぐに合否の発表が行われる地域もあれば、試験日から1週間〜2週間後に発表される地域もあります。

③狩猟免状の交付

試験に合格すれば狩猟免状の交付を受けることができます。免状の交付開始日は地域によってさまざまです。

免状の交付の際、印鑑と受験票が必要な地域もありますので、確認して持参してください。

猟友会が行う講習会を受けようと思っている方、または試験の合格が心配という方は、講習会が狩猟免許試験と同時期に行われるので、合わせて受講の申請を行うとよいでしょう。

しかし、コロナウイルスが流行り出してからは人数制限なども行なっているため、受験を希望する方は早めに受験の申請を行うほうがよいです。

狩猟免許の合格率は約80%と国家資格の中ではかなり高い水準ですが、事前に行われる講習会で試験内容を網羅しているからです。つまり、講習会を受講することでほぼ確実に合格できるということです。

しかし、勉強を全くせずに受験した場合は合格は厳しい内容になっています。

講習会では筆記試験の問題集を配布しているので、よほど自信があるという場合を除いては受講することをおすすめします。

狩猟免許の試験内容

狩猟免許を取るためには試験に合格する必要があります。試験は大きく分けて知的試験、適性試験、技能試験の3つに分かれます。

ここではそれぞれの課題について説明します。

知識試験

知的試験とは、いわゆる筆記試験です。90分の試験時間が設けられ、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法令」「鳥獣の保護及び管理に関する知識」「猟具の構造や取り扱い」「鳥獣の形態や生態」の項目から30問出題されます。

30の設問より70%以上の正答で知的試験は合格となります。

適正試験

適性試験は、「視力検査」「聴力検査」「運動能力試験」の3つです。

視力試験

視力試験は網猟免許・わな猟免許と銃猟免許で合格基準が少し異なります。

網猟免許・わな猟免許については両眼で0.5以上であること、銃猟免許については両眼で0.7以上かつ片眼でそれぞれ0.3以上であることとされています。

聴力試験

聴力試験は警音器の音が10メートルの距離で聞き取れることとされています。

運動能力試験

運動能力試験は狩猟を行うことに支障を及ぼす恐れがないと判断されれば合格とされています。試験内容については簡単なストレッチを行う方式が一般的です。

技能試験

技能試験は、狩猟免許の種類によって試験内容が異なります。それぞれの課題について説明します。

網猟免許

  • 狩猟に使用できる網か使用できない網かを答える
  • 網猟で使用できる猟具のうち1つを架設する
  • 網猟で狩猟できる鳥獣の写真による判別

わな猟免許

  • 狩猟に使用できるわなか使用できないわなかを答える
  • わな猟で使用できる猟具のうち1つを架設する
  • わな猟で狩猟できる鳥獣の写真による判別

第一種銃猟免許

  • 模擬銃(上下二連銃、水平二連銃、自動銃のいずれか)の点検、分解、結合の操作
  • 模擬銃に模擬弾を装填
  • 指定された狩猟鳥獣(写真または模型など)へ向けて射撃姿勢をとる
  • 模擬銃の模擬弾を脱包
  • 団体で行動時の銃器の取り扱い
  • 休憩時の銃器の取り扱い
  • 空気銃の圧縮操作
  • 空気銃の装填操作
  • 距離の目測
  • 第一種銃猟で狩猟できる鳥獣の写真による判別

第二種銃猟免許

  • 休憩時の銃器の取り扱い
  • 空気銃の圧縮操作
  • 空気銃の装填操作
  • 距離の目測
  • 第一種銃猟で狩猟できる鳥獣の写真による判別

【最後に】狩猟免許を取ってハンターへの一歩を踏み出そう

今回は、狩猟免許の取得方法について解説しました。

近年、狩猟を行う人が高齢化しているという問題もありながら、ジビエなどのブームによる狩猟の注目が高まっています。実際、猟友会も狩猟者を増やす取り組みのために狩猟免許向けの講習を行なっています。

そんな狩猟を行うために、誰もが通る道である狩猟免許試験ですが、決して難しいものではありません。受験までにしっかりと準備をしていれば、合格は”ほぼ”間違いないでしょう。

趣味でも有害鳥獣駆除でも狩猟免許は絶対に必要な資格なので、しっかりと準備して試験に臨みましょう。そして、狩猟免許を取得してあなたもハンターの仲間入りを目指してください。

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