資格

猟銃・空気銃の所持許可の取り方は?手順を詳しく解説!

この記事の所要時間:7分

日本は銃の規制が世界一厳しく、本物の銃を見たことがある人はあまりいないのではないでしょうか。実は、そんな日本でも銃を持つことが可能なんです。

日本で銃を所持する目的として認められているのは、狩猟とスポーツ射撃です。

この2つの目的で所持をすることは可能ですが、どちらも必ず銃砲の所持許可を受ける必要があります。

今回は、猟銃の所持許可がおりるまでの手順を詳しく解説します。

これから所持許可を受けようとしている、または猟銃に興味があるという方には、必ず参考になるはずなので最後までご覧ください。

猟銃の所持許可とは

猟銃の所持許可は、住所地の都道府県公安委員会が猟銃または空気銃を所持することを許可したことを指します。

猟銃、空気銃を持って行動する場合は、発行された許可証を携帯する必要があります。銃猟の狩猟免許を持っていたとしても、許可証を持たずに銃を携帯すると、銃刀法違反になってしまいます。

狩猟免許の取得方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。所持許可を取ろうとしている方で、狩猟に興味があれば参考になる内容なので合わせてご覧ください。

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所持許可の取得条件

所持許可を受けるためには次の項目を満たしている必要があります。

  • 猟銃の所持許可を受けるには、20歳以上であること ※1
  • 空気銃の所持許可を受けるには、18歳以上であること ※2
  • 破産手続開始の決定を受けていない、または破産手続開始が決定してから復権を得ていること
  • 精神障害、統合失調症、そううつ病、てんかんなどにかかっていないこと
  • 大麻や覚醒剤などの麻薬の中毒になっていないこと
  • 自身の行動の是非が判断できること
  • 住所不定でないこと
  • 所持許可の取り消し処分を受けた場合、その日から起算して5年を経過していること ※3
  • ストーカー行為またはDV行為により、つきまといなどの禁止命令を受けた場合、その日から起算して3年を経過していない者
  • 暴力団との関係がないこと
  • 所持許可の申請時に虚偽の記載をしていないこと

※1. 猟銃を使用する射撃競技に参加する選手、または選手の候補者として日本体育協会の加盟団体から推薦を受けた者は、18歳以上から許可を受けることができる。
※2. 空気銃を使用するオリンピックなどの大規模な射撃競技に参加する選手、または選手の候補者として日本体育協会の加盟団体から推薦を受けた者は、14歳以上から許可を受けることができる。
※3. 銃刀法第11条第1項第4号の規定による取り消し処分を受けた場合、その日から起算して10年を経過する必要がある。

所持許可の取り消しが行われた場合、犯した違反の種類によって欠格期間が異なります。さらに詳しく知りたい場合は猟銃等取扱読本に記載されているので、そちらを確認してください。

猟銃の所持許可を取得するまでの手順

猟銃を手にするまでには、かなりの時間がかかります。なぜなら、さまざまな申請を行わなければならず、そのひとつひとつが承認されるまでの待ち時間が発生するからです。

そのため、申請が承認されたらすぐに次の申請ができるように準備をしておくと良いでしょう。

狩猟免許試験の取得までの流れは以下の通りです。

①猟銃等講習会受講申請

②猟銃等講習会受講

③講習修了証明書交付

④教習資格認定申請

⑤認定証交付

⑥猟銃用火薬類等譲受許可申請

⑦猟銃用火薬類等譲受許可証交付

⑧射撃講習受講

⑨教習修了証明書交付

⑩譲渡等承諾書(猟銃購入予約)

⑪所持許可申請

⑫所持許可証交付

⑬許可証提示&猟銃譲受

⑭猟銃確認

①猟銃等講習会受講申請

都道府県のホームページなどで講習会の日程が掲載されるので、日程を確認して申請を行いましょう。申請方法は住所地の警察の窓口で行いますが、定員数が設けられていることが多く、公安委員会に確認する必要があります。

ホームページで受けたい講習会の日程を決めたらなるべく早く公安委員会に電話で確認しましょう。電話で講習会の枠が確保できたら、警察の窓口で申請を行います。

しかし、銃砲関係の担当者が警察署内で少なく、あらかじめアポをとっておく必要があります。講習会の枠を確保したら、次に住所地の警察署に電話して「◯◯日の〇〇時に申請に行きます」と担当者に伝えましょう。

申請に必要なものは以下の通りです。

  • 猟銃等講習会申請書
  • 受講手数料(6,800円)※1
  • 証明写真 ※2

※1. 一般的に上記金額だが都道府県によって異なることがある
※2. 申請日より起算して6ヶ月以内に撮影したものであること

②猟銃等講習会受講

申請した日時と会場で講習会の受講をします。平日、休日ともに開催されているので都合が良い日時の試験を申請しておきましょう。

当日は、講習会後に試験が行われます。基本的には講習会の内容が試験問題として出題されますが、勉強をしていないと不合格になる可能性がありますので、事前に勉強しておくことをおすすめします。

猟銃等講習会試験の対策例題集が販売されていますので、この本で対策が可能です。

③講習修了証明書交付

試験後に少し待機して合否発表が行われます。合格した方は講習修了証明書が交付されますが、不合格の方は別日に受け直す必要があります。

また受け直すのは時間もお金もかかるため、なるべく一度で合格できるように勉強をしておきましょう。

④教習資格認定申請

講習修了証明書が交付されたら、教習資格認定の申請を行います。

ここで申請した書類と、親族や友人、近隣住民などに猟銃を持っても問題ない人物かを聞き込み調査して審査を行います。

猟銃等講習会の申請と同じ要領で住所地の警察署にて申請します。申請時に必要なものは以下の通りです。

  • 教習資格認定申請書
  • 申請手数料(8,900円)
  • 講習修了証明書
  • 証明写真2枚 ※1
  • 精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書
  • 身分証明書(本籍地発行)
  • 住民票(本籍地の記載のあるもの)
  • 同居親族書
  • 経歴書

※1. 申請日より起算して6ヶ月以内に撮影したものであること

⑤認定証交付

教習資格認定の申請が無事に終われば認定証が交付されます。

受け取り時に、猟銃用火薬類等譲受許可申請を行うと手間が省けるので、教習資格認定申請中に用意しておきましょう。

また、教習資格認定証の期限は3ヶ月です。早めに射撃教習の予約をしておきましょう。

⑥猟銃用火薬類等譲受許可申請

認定証交付時に必要書類を揃えて申請します。

猟銃用火薬類等譲受許可申請に必要なものは以下の通りです。

  • 猟銃用火薬類等譲受許可申請書
  • 申請手数料(2,400円)

申し込む実包の個数は、基本的に100発ですが射撃教習を行う射撃場によって異なる場合があります。予約する前に聞いておきましょう。

⑦猟銃用火薬類等譲受許可証交付

猟銃用火薬類等譲受許可証は、猟銃用火薬類等譲受許可申請をして即日(申請後30分ほど)交付されるので、時間に余裕を持って申請に行きましょう。

⑧射撃教習受講

教習資格認定証と猟銃用火薬類等譲受許可証が交付されたら、射撃教習を開催している射撃場で射撃教習の予約をします。

基本的には電話をして射撃教習を受けたい旨を伝えると、いつ開催しているのかを教えてくれるので、都合が良いときの日時で予約しましょう。

また、実包は射撃場で購入するのが一般的ですが、実包を販売していない射撃場もあるので予約時に確認しておきましょう。

射撃教習の受講に必要なものは以下の通りです。

  • 教習資格認定証
  • 猟銃用火薬類等譲受許可証
  • 筆記用具
  • 講習料
  • 弾代

講習料と弾代は、合わせて40,000〜50,000円ほどです。当日現金で持参するようにしましょう。

⑨教習修了証明書交付

教習修了証明書は、教習を受講した当日にその場で交付されます。

また、射撃教習のために受けた交付された猟銃用火薬譲受許可証は、教習が終了したら警察署に返納します。

⑩譲渡等承諾書(猟銃購入予約)

教習修了証明書が交付されれば、銃砲店などで猟銃の購入予約を行います。猟銃は実際に見て購入することをおすすめします。

購入予約をしたら譲渡等承諾書を発行してもらえます。つぎの所持許可申請の際に必要なので紛失しないように保管してください。

⑪所持許可申請

猟銃の所持許可申請は、1〜10の手順を終えてようやく申請ができます。

申請時に必要なものは以下の通りです。

  • 所持許可申請書
  • 申請手数料(10,500円)
  • 講習修了証明書
  • 教習修了証明書
  • 譲渡等承諾書
  • 証明写真2枚 ※1
  • 精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書
  • 身分証明書(本籍地発行)
  • 住民票(本籍地の記載のあるもの)
  • 同居親族書
  • 経歴書

※1. 申請日より起算して6ヶ月以内に撮影したものであること

「診断書」「身分証明書」「住民票」「同居親族書」「経歴書」については、教習資格認定申請をしたときの書類を使いまわすことができます。しかし、期間が空きすぎるともう一度書類を用意し直さないといけないので注意してください。

⑫所持許可証交付

教習資格認定申請時と同様に所持許可の審査が行われます。無事審査に通ると所持許可証が交付されます。

⑬許可証提示&猟銃譲受

交付された所持許可証を持って、猟銃の購入を予約した銃砲店で猟銃を譲り受けます。受け取る際は、持ち運び時に見えないようにする必要があるためケースが必要です。

所持許可証を受け取ってから3ヶ月以内に猟銃を譲り受けなければなりません。時間に余裕を持って受け取りに行きましょう。

⑭猟銃確認

猟銃を譲り受けたら2週間以内に警察署で確認を受けなければなりません。譲り受けた当日に確認へ行くのがおすすめです。

猟銃の確認は30分ほどで終わります。帰宅後は、ガンロッカーで保管しましょう。

最後に

猟銃の所持許可を受けるためには、多くの時間とお金が必要になります。また、所持許可を受けた後にも定期的に更新などがあるため非常に手間がかかります。

猟銃を手に入れたけどあまり使わず「眠り銃」になってしまうことも少なくありません。

しかし、その手間を惜しまないほど狩猟には魅力があり、射撃には楽しさがあります。ぜひこの記事を参考に所持許可を取得しましょう!!

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