狩猟

【狩猟】狩猟に必要な初期費用から維持費用まで徹底解説

狩猟にかかる費用

この記事の所要時間:9分

ハンターになるためにどのくらいの金額がかかるかご存じでしょうか。特に銃猟は、猟銃が必要なので「とても高そう」というイメージがあるかと思います。

これから狩猟をはじめる方や、狩猟に興味を持った人が「狩猟をはじめたいけど費用が心配」「猟銃っていくらするの」など、気になるのはやはり費用面でしょう。

今回は、気になるハンターになるまでの費用をわかりやすく解説します。

狩猟免許とは

狩猟免許は、各都道府県ごとに鳥獣法に基づいて狩猟を行うことを認可した資格のことを指します。

狩猟免許は、「網猟免許」「わな猟免許」「第一種銃猟免許」「第二種銃猟免許」の4種類に分けられており、それぞれ使用できる狩猟道具が定められています。

狩猟免許の種類と使用できる狩猟道具

免許の種類 使用できる狩猟道具
網猟免許 むそう網、はり網、つき網、なげ網
わな猟免許 くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな
第一種銃猟免許 装薬銃(ライフル銃・散弾銃)、空気銃
第二種銃猟免許 空気銃

銃砲を使用した狩猟を行う場合、狩猟免許だけでなく猟銃の所持許可が必要です。この所持許可は、狩猟をするしないに関係なく所持をする場合に必要な許可証です。

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狩猟免許にかかる費用

狩猟免許にかかる費用は、取得時と取得後に必要な費用があります。

狩猟免許は、自動車免許に似たようなシステムです。試験の申請書類や手数料などが必要で、免許の更新時にも手数料が発生します。

また、自動車教習所のような猟友会が行う試験対策の講習会を受講する場合は、受講費用が必要です。この講習会は取得時に受講するものなので、更新時には受けることがなく費用は発生しません。

取得時にかかる費用と取得後に必要な費用は以下の通りです。

  • 取得時にかかる費用
免許申請手数料 5,200円(3,900円) ※1
精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書 ※2 約3,000円(病院によって異なる)
証明写真(提出日より起算して6ヶ月以内に撮影したもの, 縦3.0cm × 横2.4cm) 600円〜10,000円(撮影場所によって異なる)
狩猟免許初心者講習会 ※3 約10,000円〜15,000円

※1. いずれかの狩猟免許を所持していれば、申請手数料は3,900円になる
※2. 猟銃または空気銃の所持許可証をすでに受けている人は、その写しで代用できる
※3. 狩猟免許初心者講習会は必ず受ける必要はありません

  • 取得後にかかる費用 ※4
免許更新手数料 2,900円
精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書 ※5 約3,000円(病院によって異なる)
証明写真(提出日より起算して6ヶ月以内に撮影したもの, 縦3.0cm × 横2.4cm) 600円〜10,000円(撮影場所によって異なる)

※4. 狩猟免許の更新は3年毎
※5. 猟銃または空気銃の所持許可証をすでに受けている人は、その写しで代用できる

狩猟免許を取得する際にかかる費用はこのような結果になりました。

  • 狩猟免許取得時に必要な費用は、約10,000円〜25,000円
  • 狩猟免許取得後に必要な費用は、約4,000円〜7,000円

猟銃の所持許可の取得にかかる費用

猟銃の所持許可の取得費用は、狩猟免許に比べて高くなります。なぜかというと、模擬銃ではなく実銃を使った教習を行うからです。ほかにも、申請関係が多く手数料が発生する手続きが何度か発生します。

所持許可についても狩猟免許と同様に免許の更新があるので、取得時と取得後に費用が必要になります。

取得時にかかる費用と取得後に必要な費用は以下の通りです。

  • 取得時にかかる費用
猟銃等講習会申請手数料 約6,900円(都道府県によって異なる)
教習資格認定申請手数料 8,900円
猟銃用火薬譲受許可証申請手数料 2,400円
射撃教習代 40,000円〜50,000円(射撃場によって異なる)
猟銃所持許可申請手数料 10,500円
証明写真(提出日より起算して6ヶ月以内に撮影したもの, 縦3.0cm × 横2.4cm)※1 ※2 ※3 600円〜10,000円(撮影場所によって異なる)
精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書 ※2 ※3 約3,000円(病院によって異なる)
身分証明書(本籍地発行)※2 ※3 約300円(市区町村によって異なる)
住民票(本籍地の記載のあるもの)※2 ※3 約300円(市区町村によって異なる)

※1. 猟銃等講習会申請時に必要なもの
※2. 教習資格認定申請時に必要なもの
※3. 猟銃所持許可申請時に必要なもの

  • 取得後にかかる費用
猟銃等講習会申請手数料 3,000円
技能講習受講申請手数料 12,300円
更新申請手数料 2,400円
証明写真(提出日より起算して6ヶ月以内に撮影したもの, 縦3.0cm × 横2.4cm)※4 ※5 600円〜10,000円(撮影場所によって異なる)
精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書 ※5 精神保健指定医またはかかりつけ医師(歯科医師を除く)の診断書 ※5
身分証明書(本籍地発行)※5 約300円(市区町村によって異なる)
住民票(本籍地の記載のあるもの)※5 約300円(市区町村によって異なる)

※1. 猟銃等講習会申請時に必要なもの
※2. 更新申請時に必要なもの

猟銃の所持許可にかかる費用はこのような結果になりました。

  • 猟銃の所持許可取得時に必要な費用は、約75,000円
  • 猟銃の所持許可取得後に必要な費用は、約22,000円

道具の種類と費用

狩猟をするために必要な道具の費用を、共通で必要な道具と免許の種類ごとに分けて紹介します。

共通で必要な道具

実際に狩猟を行う際には、目立つ色をしたベストと帽子が必要です。そのほかには防寒用の靴や手袋、解体用のナイフなどが必要です。

ベスト 10,000円〜
帽子 2,000円〜
3,000円〜
手袋 1,000円〜

狩猟をはじめて最初の方は、グループ猟などに参加することが多いので、携帯品などは除いて最低限必要なものを記載しています。

網猟

網猟に必要な道具は、「網」そして「標識」です。網は自作する人も多く、数千円で作成可能です。

数千円〜数万円
標識 数百円

購入する場合は、網の種類やサイズによって価格帯が変わりますが、特殊なものでない限り高くても10万円以内で購入ができると思います。

標識は、氏名や住所などを記載して網に付ける必要があります。指定されているものではないので、高いものを選ぶ必要はありません。

わな猟

わな猟に必要な道具は、「わな」そして「標識」です。わなも網同様、自作が可能です。

わな 約3,000円〜数万円
標識 数百円

網に比べてわなのほうが種類やサイズで価格帯に差が大きく、くくりわなであれば3,000円ほどから30,000円ほどで購入できます。

はこわなや囲いわなは、ネズミ用のサイズからイノシシやシカなどの大型用のものまで多数あります。小さいものは数千円から購入できますが、大型用のものは50,000円ほどからになります。

標識に関しては、網と同様です。

第一種銃猟

やはり1番費用がかかるのが猟銃代です。しかし、中古銃を選択することで初期費用を大幅に減らすことができます。

散弾銃(新銃) 200,000円〜400,000円
散弾銃(中古銃) 50,000円〜200,000円
散弾銃(中古銃) 200,000円〜600,000円
空気銃(中古銃) 100,000円〜200,000円
実包(1発) 40円〜
エアライフル弾(1発) 10円〜
ガンロッカー 約50,000円
装弾ロッカー 約50,000円
銃ケース 3,000円〜
掃除用具 1,000円〜

今回記載した値段は、狩猟用の銃の金額です。クレー射撃など標的射撃用の銃は何百万とするものも販売されています。

これから狩猟をはじめる方は、自動銃をおすすめします。

銃以外には、弾とガンロッカー、装弾ロッカー、銃ケース、掃除道具が最低限必要です。よって、ミニマムで揃えたとしても約130,000円ほど必要になります。

第二種銃猟

第二種銃猟の場合も第一種銃猟と同様に1番費用がかかるのが猟銃代です。

空気銃(新銃) 200,000円〜600,000円
空気銃(中古銃) 100,000円〜200,000円
空気銃(中古銃) 10円〜
ガンロッカー 約50,000円
装弾ロッカー 約15,000円
銃ケース 3,000円〜
掃除用具 3,000円〜

第二種銃猟に必要なものは、基本的に第一種と同じです。しかし、空気銃の中古銃は散弾銃に比べてあまり出回らないので高価になりがちです。

よって、ミニマムで約180,000円ほど必要になるかと思います。

実猟に必要な費用

実際に狩猟を行う際には、道具にかかる費用以外に狩猟税や狩猟者登録費用が必要です。

狩猟税 16,500円
狩猟者登録費用 約1,800円(都道府県によって異なる)
猟友会会費 約10,000円(猟友会によって異なる)
ハンター保険 約3,000円 ※1

※1. 猟友会に所属する場合ハンター保険に加入する必要はありません

上記以外にも、猟区や放鳥獣猟区という狩猟場を利用する場合は、数千円〜数万円の料金が必要になります。

まとめ

今回は、狩猟をはじめるために必要な費用について解説しました。

ハンターを目指す人は、猟銃で狩猟することに憧れている人が多いはずです。しかしながら、猟銃を手に入れるとなると、正直かなり高額になりますよね…

費用総額が高いなと思う場合は、まずは「わな猟・網猟」からはじめるのも良いかもしれません。わな猟と網猟の免許を取得してからグループ猟に付いていき、そこで銃猟をしたいなと思ってからでも遅くはないはずです。憧れのハンターを目指して頑張りましょう!

また、この記事を読んで、何かわからないことがあればお気軽にお問合せください。

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